「何が効いたか分からない」を、測れる状態に戻した
Europcarとの独占提携で欧州チャネルを開き、そのあと訪日予約サイトの計測を立て直した。
観測点 6 points ▼
Overview
全国1,450店舗以上を展開するニコニコレンタカー(株式会社MIC)の訪日インバウンド領域を担当している。参画したタイミングで、欧州大手レンタカーブランドEuropcarから提携の打診が届いていた。この話を引き取り、条件のすり合わせから独占協業契約の締結まで英語での交渉を単独で担当。2026年4月にEuropcarのグローバル予約ネットワーク経由での受付が始まった。ただし本題はその後だった。訪日客向けの多言語予約サイトが、予約完了を一度も計測できていなかった。
Challenge
何が問題だったか。
サイトのリニューアル後、GA4の予約完了イベントが15ヶ月にわたって一度も発火していなかった。原因は2つで、計測タグのトリガー条件が旧URLのままだったことと、GA4へ送るタグ自体がコンテナに存在しなかったこと。つまり「何をやると予約が増えるのか」を判定する土台がない状態で、改善の議論だけが進んでいた。さらに旧URLの転送ルールが言語コードの変更に追随しておらず、中国語と韓国語の検索流入の入口が丸ごと失われていた。
Approach
どう動いたか。
提携の打診を引き取り、締結まで
届いていた提携の打診を引き取り、欧州本社の担当部門と英語で直接やり取りできる状態を作った。条件のすり合わせから独占協業契約の締結まで単独で対応。2026年3月にはベルリンでの最終すり合わせと、現地カンファレンスでの商談も担当した。
止まっていた予約計測の復旧
予約完了イベントが15ヶ月発火していない事実を突き止め、タグマネージャの設定を修正。公開後に実データで突合し、予約完了ページの到達数と完全に一致することを確認した。ここで初めて「予約が何件入ったか」がサイト側で分かるようになった。
主指標を、流入に左右されないものへ
評価軸を流入の増減から独立させるため、主指標を「予約フォームに到達した人のうち何%が完了したか」に置き換えた。広告を投入する前のベースラインを凍結し、指標の定義はスクリプトに固定して、取得のたびに数字がぶれない設計にした。
消えていた検索流入の入口を特定
旧サイトで検索流入の入口だった上位URLを全件検査し、7割が404または500になっていることを確認。原因が「転送ルールが言語コードの変更に追随していない」ことだと特定した。1言語だけURLが変わらず無傷だったことが、そのまま原因の証明になった。
5ステップを段に割り、離脱地点を1画面に絞る
予約フォームは5ステップすべてが1つのURLで動いており、どこで落ちているか分からなかった。段別の計測を実装したところ、離脱が支払い画面の1つに集中していると判明。さらに端末別では差がなく、国籍別では2倍近い差が出たため、「端末の問題ではなく画面の中身の問題」と切り分けた。
Results
何が変わったか。
Europcarとの独占協業契約により、欧州の予約ネットワークからの流入経路が新たに開いた(2026年4月受付開始・直営9店舗)。あわせて訪日予約サイトの計測を復旧し、予約完了が数字で追える状態に戻した。前年同期と季節を揃えて比べると、流入が半減している一方で1日あたりの予約完了は増えており、「集客が落ちたのではなく、予約動線が変わった」と切り分けられるようになった。離脱の83%が支払い画面の1つに集中していることも特定でき、次に何を直すかが決まっている。
Client Voice / お客様の言葉
訪日向けサイトは、リニューアル後から予約の数字が追えないままでした。そこを直してもらって、今は予約フォームのどの段階で止まっているかまで見えます。感覚で話していたことを数字で話せるようになったのが大きいです。
Learning
「改善する」より前に「測れる」を取り戻すほうが先だった。計測が止まっていることは誰も気づかない。エラーも警告も出ないまま、判断材料だけが静かに失われる。数字が動かないときは、施策を疑う前に計測を疑ったほうが早い。
Related Services
このプロジェクトで使ったスキル・サービス
Summary / この実績の要点
このページは、A-QUA(山村裕大)が支援したニコニコレンタカー / 訪日インバウンドの実績です。 課題:欧州チャネルを開いた一方、訪日予約サイトは予約完了が計測されておらず、何が効いたか判定できない状態だった。 進め方:Europcarから届いていた提携の打診を引き取り、締結まで英語で単独対応 → 予約計測を復旧し主指標を再定義 → フォームを段に割って離脱地点を特定。 結果:施策の良し悪しを数字で判定できる土台をつくり、次に何を直すかが決まる状態にした。 使ったスキルはOTAグロース、データ分析・レポーティング、訪日SEO・多言語、ディレクション / 越境EC・海外展開。 クライアント(レンタカー事業会社/訪日インバウンド事業 責任者)からは「訪日向けサイトは、リニューアル後から予約の数字が追えないままでした。そこを直してもらって、今は予約フォームのどの段階で止まっているかまで見えます。感覚で話していたことを数字で話せるようになったのが大きいです。」というコメントを確認のうえ掲載しています。
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