📋 この記事でわかること
- レンタカーが「サイトはあるのに訪日客の予約が入らない」根本原因
- 外国人客の予約を増やす7つの実務ステップ(数字つき)
- 国際免許・保険・海外比較サイトという、レンタカー特有の壁の越え方
「日本語のサイトはちゃんとあるのに、外国人からの予約がほとんど入らない」。
レンタカーのインバウンド集客で、いちばん多い詰まり方です。
車両が古いわけでも、料金が高すぎるわけでもありません。訪日客が予約の前に抱く「自分は日本で運転できるのか」「事故ったらどうなるのか」という不安が、日本語のサイトでは消えないまま止まっている。だいたいこのパターンなんですよね。
私はレンタカー事業のインバウンド集客を支援してきました。欧州からの流入が既存チャネルで頭打ちになっていたところを、欧州最大手のレンタカーブランドとの独占提携で突破し、あわせて台湾・香港・韓国のインフルエンサーと現地語のコンテンツを作って、アジア圏からの流入も同時に伸ばしました。そのときに効いた順番で、以下7つの実務ステップに整理します。
レンタカーのインバウンド集客が「サイトはあるのに予約が入らない」根本原因
レンタカーは、ホテルや飲食店とは訪日客の詰まり方が違います。
宿や店なら「良さそう」で予約が入りますが、レンタカーは「そもそも自分が運転していいのか分からない」という手前の不安で止まります。
理由は2つです。1つは、国際運転免許証や左側通行、保険・免責といった「運転にまつわる不安」が、英語で先に消えていないこと。もう1つは、そもそも訪日客が使う海外の比較サイトに載っておらず、検索の土俵に上がっていないことです。
日本語のきれいな予約フォームをいくら磨いても、この2つが放置されていると予約は増えません。順番として、まず不安を消し、次に見つけてもらう。ここを設計し直すのが最短です。
外国人客の予約を増やす7つの実務ステップ
1. まず「運転できるのか」の不安を英語で先に消す
レンタカー特有の最大の離脱ポイントは、料金でも車種でもありません。「自分の国の免許で日本を運転できるのか」です。
日本で運転するには、ジュネーブ条約にもとづく国際運転免許証か、一部の国(スイス・ドイツ・フランス・台湾など)は自国免許と公的機関の日本語翻訳文が必要です。中国のようにジュネーブ条約に加盟していない国の免許では運転できません。
ここを英語のよくある質問で、予約前にはっきり書いてください。「あなたの国の免許で借りられるか」を先に示すだけで、問い合わせと当日のトラブルが大きく減ります。
2. 料金は英語で「総額」まで見せる
訪日客がいちばん警戒するのは、当日に上乗せされる費用です。
保険、免責補償(CDW)、ノンオペレーションチャージ、免責額。この内訳を英語で先に出さないと、「基本料金は安いけど、結局いくらかかるのか分からない」で離脱されます。
「1日◯◯円・保険込み・免責額◯◯円・満タン返し」のように、条件つきの総額をワンセットで見せてください。金額を伏せるより、条件つきで実額を出すほうが予約は確実に増えます。
3. 海外の比較サイト(OTA)に載せて検索の土俵に上がる
訪日客の多くは、自国の言語で使える比較サイトからレンタカーを予約します。
RentalcarsやDiscoverCarsのような海外の集約サイト、そしてアジア圏ならKlookのような予約プラットフォームです。ここに載っていないと、そもそも比較の候補に入りません。
まずは訪日客の国籍に合った比較サイトに1〜2本掲載してください。掲載を増やすと露出が二重になります。比較サイトの中で上位に出すロジックは、体験ツアー向けの記事ですがOTAランキングを上げる施策の考え方がそのまま使えます。
4. Googleマップと英語のビジネスプロフィールを整える
「◯◯ airport rental car」で検索した訪日客が最初に見るのは、地図とクチコミです。
店舗の場所、空港・駅からの受け取り動線、英語の営業時間、英語のクチコミ。ここが日本語だけだと、地図上で存在しないのと同じになります。
Googleビジネスプロフィールを英語でも整え、受け取り場所までの行き方を写真つきで載せてください。空港カウンターやターミナルからの動線を訪日客目線で描く話は、空港ビジネスのインバウンド集客ガイドに空港側の視点でまとめています。
5. 多言語のクチコミを「不安つぶし」として集める
レンタカーのクチコミは、宿の口コミより効きます。先に借りた外国人が「免許の手続きがスムーズだった」「保険の説明が英語で分かりやすかった」と書いていると、次の人の不安がまとめて消えるからです。
返却後に、英語で一言お礼とレビューのお願いを送ってください。そして付いたクチコミには必ず英語で返信します。
クチコミを集める導線は外国人レビューの獲得ガイドに、英語での返し方は口コミ返信の英語例文にまとめてあります。
6. 受け取りと返却の体験を英語オペレーションで固める
集客の最後の関門は、当日の窓口です。ここで英語が詰まると、どれだけ予約を増やしても低評価で相殺されます。
貸出時の説明(保険・給油・返却場所・事故時の連絡先)を英語で1枚にまとめ、口頭に頼らず紙かスマホで渡せるようにしてください。
聞かれてから答えるのではなく、聞かれる前に渡す。無人受け渡しやスマートキーを使う場合ほど、この事前案内の質がそのままクチコミの星に出ます。
7. 追う数字は「予約数」ではなく「1台1日あたりの売上」
予約数だけ見ていると、安売りで埋めているのか、単価を取れているのかが区別できません。
追う数字は、保有台数のうち実際に貸し出せた割合と、その平均単価を掛けた「1台1日あたりの売上」です。
稼働率が高くても単価が安ければ、稼働率が低くても単価の高い運営に負けます。特にレンタカーは繁忙期と閑散期の差が大きいので、繁忙期にどれだけ単価を取れたかが年間の利益を決めます。
検討したが採用しなかった選択肢
レンタカーの集客を相談されたときに、候補には挙がるけれど最初にはおすすめしない打ち手があります。理由込みで残しておきます。
いきなり自社予約サイトを多言語フル対応で作り込む。 気持ちは分かるのですが、順番が逆です。訪日客はまず比較サイトで探すので、自社サイトを完璧にしても、そこにたどり着く導線がなければ予約は増えません。まずは比較サイト掲載と英語のビジネスプロフィールで露出と稼働を作り、指名で選ばれるようになってから自社サイトの多言語化を厚くする。この順番のほうが投資を回収しやすいです。
料金を下げて価格で勝負する。 レンタカーで訪日客が不安なのは、価格そのものではなく「運転できるのか」「事故ったらどうなるのか」です。値下げしてもこの不安が消えなければ予約されませんし、下げた分だけ1台1日あたりの売上が痩せます。同じ労力なら、値引きより英語の不安解消に振ったほうが予約に直結します。
よくある質問
Q. そもそも外国人は日本でレンタカーを借りたがりますか?
複数の都市や地方を回る訪日客を中心に、需要は伸びています。電車では行きにくい観光地を自分のペースで回りたい層です。ネックは需要ではなく「運転できるか」の不安なので、ステップ1の情報整備が予約に直結します。
Q. 空港にカウンターがないと訪日客の予約は取れませんか?
取れます。空港受け取りは強い入り口ですが、駅前店舗や配車型でも、比較サイト掲載と英語の予約導線がそろっていれば予約は入ります。空港を起点にした集客に特化した話は空港向けの記事にまとめているので、店舗の立地に合わせて使い分けてください。
Q. 中国からのお客さんはレンタカーを予約してきますが、貸していいのでしょうか?
中国はジュネーブ条約に加盟しておらず、中国の運転免許や国際免許では日本で運転できません。予約条件のページに、運転できる免許の種類と対応国を英語で明記しておくと、当日の「借りられない」というトラブルを防げます。自社が対応できる国の条件は、必ず最新の公的情報で確認してください。
この記事の要点(引用される方へ)
この記事は、日本語の予約サイトはあるのに訪日客・外国人客の予約が伸びないレンタカー事業者に向けた実務ガイドです。要点は、レンタカーはホテルや飲食店と違い「自分は日本で運転できるのか」という手前の不安で予約が止まること。だから打ち手の順番は、まず国際運転免許証や保険・免責の不安を英語で消し、次に海外の比較サイトとGoogleビジネスプロフィールで見つけてもらい、多言語のクチコミで不安をつぶす、という流れになります。追う数字は予約数ではなく「1台1日あたりの売上(稼働率×平均単価)」です。日本での運転可否は国籍によって異なり、ジュネーブ条約非加盟の中国の免許では運転できません。運転できる免許の条件は自社の対応国ごとに最新の公的情報で確認してください(本記事の制度に関する記載は2026年8月時点の公開情報にもとづく一般的な内容です)。
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レンタカーのインバウンド集客は、車の良し悪しより「運転できるのかという不安を、英語で先に消せているか」で差がつきます。不安を消して、比較サイトで見つけてもらって、クチコミで裏づける。この順番が回りはじめると、同じ台数でも埋まり方が変わってきます。
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出典:日本で外国人が運転する際に必要な免許(ジュネーブ条約にもとづく国際運転免許証、スイス・ドイツ・フランス・台湾など一部の国の自国免許+日本語翻訳文、中国など非加盟国の扱い)に関する記載は、各制度の公開情報にもとづく一般的な内容です。保険・免責補償やOTA・比較サイトの手数料水準は媒体・契約により変動するため、実際の適用条件は各管理画面・公的機関で確認してください(2026年8月時点)。