📋 この記事でわかること

  • ホテルのインバウンド集客が「OTAには載っているのに直予約が増えない」根本原因
  • 訪日客の直予約を増やす7つの実務ステップ(数字つき)
  • 多言語導線・Googleビジネスプロフィール・レビュー設計の具体

「Booking.comには載っているんですけど、手数料を引かれると全然残らなくて」。

小さなホテルのオーナーさんから、最初にこう相談されました。

稼働は悪くないんです。ただ、埋まっている部屋の9割がOTA経由で、そのたびに15%前後の手数料が消えていく。自社サイトからの予約は、月に数件あるかないか。

これ、ホテルのインバウンド集客でいちばん多いパターンなんですよね。

「載っているのに残らない」。稼働率の問題じゃなくて、予約の入り口が全部よそになっている問題です。

ホテルのインバウンド集客が「OTAには載っているのに残らない」根本原因

OTAは訪日客の入り口として今も強力です。そこは否定しません。

ただ、OTAだけに寄せると、集客のコストが構造的に下がらなくなります。

理由はシンプルで、訪日客があなたのホテルを知る場所と、予約する場所が、どちらもOTAの中で完結してしまうからです。

指名検索(ホテル名で直接調べる人)が増えても、その受け皿が自社サイトに用意されていないと、結局OTAに戻って予約されます。手数料を払って、自分の指名客を買い戻しているような状態になるんです。

だから最初にやることは「OTAをやめる」ではありません。

OTAで見つけてもらい、直予約でもう一度選べる状態を作る。この二段構えに作り替えるのが起点です。

以下、支援の現場で実際に順番どおりに進めている7ステップにまとめます。

訪日客の直予約を増やす7つの実務ステップ

1. まず「指名検索の受け皿」を英語で作る

OTAに掲載していると、ホテル名での検索は必ず発生します。たとえば「Hotel ○○ Kyoto」のような検索です。

このときに出てくるのが自社の英語ページなのか、OTAのページなのかで、手数料の未来が変わります。

最低限、英語のトップページと客室ページ、予約フォームまでの導線を用意してください。全ページの完全翻訳は後回しでいいです。まずは指名客が着地して予約まで進める1本の道を通す。ここが土台になります。

翻訳の順番や落とし穴は多言語SEOの設計手順にまとめているので、着手前に一度読んでみてください。

2. Googleビジネスプロフィールを訪日客仕様にする

訪日客はホテル名を調べたとき、まずGoogleの地図とプロフィール枠を見ます。

ここが日本語のままだったり、写真が古かったりすると、それだけで候補から外れます。

やることは3つです。

英語の説明文を入れる。外観・客室・水回り・最寄り駅からの動線がわかる写真を10枚以上入れる。そして予約リンクに自社サイトを設定する。

この予約リンクをOTAにするか自社にするかで、直予約の数はけっこう変わります。ここは自社に向けてください。詳しい整え方はGoogleビジネスプロフィールのインバウンド最適化で解説しています。

3. OTAは「一番小さい部屋」を看板にして残す

OTAをゼロにする必要はありません。新規の訪日客に見つけてもらう入り口として、むしろ残します。

ただ載せ方を変えます。

OTAには一番安い部屋タイプを看板として置き、上位の部屋やプランは自社サイト限定にする。こうすると、OTAで見つけた人が「もう少しいい部屋はないかな」と調べたときに、自社サイトへ流れます。

OTA内での見え方そのものを底上げしたい場合は、OTAランキングを上げる施策が写真とレビューの観点でそのまま使えます。

4. 直予約に「OTAにはない理由」を1つ用意する

人は、同じ部屋なら慣れたOTAで予約します。わざわざ自社サイトを使う理由がないからです。

なので理由を1つ作ります。

早めのチェックイン、ウェルカムドリンク、駅までの送迎、連泊割引。原価がほとんどかからないもので構いません。

大事なのは種類を増やすことじゃなくて、「公式サイトから予約すると、これが付きます」と英語で1行、予約ボタンのすぐ横に書くことです。特典があっても、伝わっていなければ無いのと同じなんですよね。

5. 予約フォームは「3クリック・カード決済」まで削る

海外からの予約は、フォームで9割が離脱します。項目が多い、日本語が混ざる、決済が銀行振込、このあたりが原因です。

理想は、日付を選ぶ、部屋を選ぶ、カードで払う。この3ステップです。

海外発行のクレジットカードが通る決済を必ず入れてください。ここが銀行振込だけだと、訪日客の予約はほぼ成立しません。

6. レビューを「予約前の不安つぶし」として集める

訪日客はレビューの数と鮮度を見ます。星の平均より、直近の口コミがあるかどうかを気にします。

チェックアウト時に、英語で一言お願いするだけで返信率は上がります。QRコードを部屋やフロントに置くのも効きます。

集めたレビューには必ず返信してください。英語での返信は、次に読む予約検討者への安心材料になります。返信の集め方と例文は外国人レビューの獲得ガイドにまとめています。

7. 数字は「直予約比率」1本で追う

稼働率だけ見ていると、OTA依存は改善しているのに気づけません。

追う数字は、全予約のうち自社サイト経由が何%か。この直予約比率を月次で見てください。

最初は5%を10%に、次に20%へ。ここが上がるほど、同じ稼働でも手元に残るお金が増えます。稼働率とは別のダッシュボードで、この1本だけを毎月追うのがいちばん続きます。

よくある質問

Q. OTAをやめて自社サイトに全部寄せるべきですか?

やめないほうがいいです。OTAは新規の訪日客に見つけてもらう入り口として今も強いです。目的は「OTAをやめる」ではなく、OTAで見つけた人を直予約でもう一度選べる状態にすることです。入り口はOTA、リピートと指名は自社、という二段構えが現実的です。

Q. 多言語対応は何言語から始めればいいですか?

まず英語1言語で十分です。訪日客の検索と予約の多くは英語で成立しますし、完璧な多言語サイトを作ってから公開するより、英語の指名検索の受け皿を1本通すほうが先に効きます。中国語や韓国語は、実際の宿泊者の国籍データを見てから足すのが無駄がないです。

Q. 小規模ホテルでも直予約は増やせますか?

増やせます。むしろ部屋数が少ないほど、手数料の重さが利益に直結するので、直予約比率の改善が効きます。今回の7ステップは、大型チェーンより先に個人経営や十数室規模のホテルで回してきた内容です。まだ全部は試しきれていない施策もありますが、ステップ1と2だけでも指名客の取りこぼしはかなり減ります。

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ホテルのインバウンド集客は、OTA掲載そのものより「見つけてもらったあと、直予約でもう一度選べる導線があるか」で差がつきます。自社の指名客を手数料で買い戻してしまっていないか、一度棚卸ししてみてください。

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出典:OTAの手数料水準(15%前後)は Booking.com・Expedia 各社の公開情報およびホテル向け掲載条件に基づく一般的な水準を記載しています。