📋 この記事でわかること
- 飲食店のインバウンド集客で「店の前まで来ているのに入ってくれない」根本原因
- 外国人客の来店を増やす7つの実務ステップ(数字つき)
- Googleビジネスプロフィール・英語メニュー・口コミ多言語化の具体
「観光客は歩いているんですけど、なぜかうちには入ってこないんです」。
商店街で定食屋をやっているオーナーさんから、最初にこう相談されました。
立地は悪くないんです。前の通りは外国人観光客がけっこう歩いている。ただ、店の前で一度スマホを見て、そのまま隣のチェーン店に入っていく。そういう光景を毎日見ている、と。
これ、飲食店のインバウンド集客でいちばん多いパターンなんですよね。
「見えているのに入られない」。味の問題でも立地の問題でもなくて、店の前に立った外国人客に「ここは入っていい店だ」という情報が届いていない問題です。
飲食店のインバウンド集客が「前を歩いているのに入られない」根本原因
外国人観光客は、店に入る前に必ずスマホを見ます。
Googleマップで店名や「近くのレストラン」を調べて、写真と口コミと「英語が通じるか」をその場で確認する。ここで不安が消えなかったら、そのまま素通りします。
日本人なら暖簾をくぐって様子を見ますが、外国人客は違います。
言葉が通じるか、メニューが読めるか、カードが使えるか、いくらくらいか。この4つが入る前にわからないと、リスクを取らずに知っているチェーンへ流れます。
だから最初にやることは、味を磨くことでも新メニューを増やすことでもありません。
店の前でスマホを見た瞬間に「ここは大丈夫」と伝わる情報を、先回りして置いておく。これが起点です。
以下、支援の現場で実際に順番どおり進めている7ステップにまとめます。
外国人客の来店を増やす7つの実務ステップ
1. Googleビジネスプロフィールを「入店前の判断材料」に作り替える
外国人客が最初に見るのは、あなたの店のGoogleマップの枠です。ここが日本語だけだと、それだけで候補から外れます。
やることは3つです。
英語の店舗説明を入れる。料理・店内・席まわり・価格帯がわかる写真を10枚以上入れる。そして「英語メニューあり」「カード可」の一言を説明文に書く。
写真は料理の寄りだけでなく、店の外観と入口を必ず入れてください。外国人客は「この扉を開けていいのか」で迷います。入口が写っているだけで、心理的なハードルがかなり下がります。整え方の詳しい手順はGoogleビジネスプロフィールのインバウンド最適化にまとめています。
2. 英語メニューは「写真+短い英語+NG食材の一言」まで作る
英語メニューは、料理名を英訳しただけだと足りません。
外国人客が知りたいのは、名前より「これは何が入っているか」です。豚肉、アルコール、生もの。宗教や体質で食べられないものがある人は、それがわからないと注文できません。
理想は、料理写真の横に、短い英語の説明と主な材料を1行。たとえば「Pork / contains alcohol」のように書く。全品でなくていいので、まず人気の10品だけ整えてください。
メニューのQRコードをテーブルに置いて、スマホで多言語表示できるようにすると、紙の差し替えも要らなくなります。
3. 口コミの英語比率を上げて、英語で返信する
外国人客は、星の平均より「直近に外国人が書いた口コミがあるか」を見ます。日本語の口コミが100件あっても、英語がゼロだと「日本人向けの店かな」と判断されます。
会計のときに英語で一言お願いするだけで、口コミ率は上がります。レジ横にQRコードを置くのも効きます。
集まった口コミには、英語で返信してください。返信は書いた本人よりも、次にその口コミを読む検討客への安心材料になります。集め方と英語の返信例文は外国人レビューの獲得ガイドと口コミ返信の英語例文集にまとめています。
4. 写真で「入る前の不安」を先に消す
外国人客が素通りする理由の多くは、中の様子が見えないことです。
カウンターだけなのか、席があるのか。ひとりでも入れるのか。予算はいくらか。これが写真から読めないと、入るのをためらいます。
Googleマップと店頭のどちらにも、店内全体・席・実際の一皿と価格が見える写真を置いてください。メニューの値段が写った写真を1枚入れておくだけで、「高そうだから」で去っていく客をかなり止められます。
5. 中国語圏の客には小紅書(Xiaohongshu)で存在を作る
英語圏の準備が済んだら、次は客層の多い言語です。
中国語圏からの客が多いエリアなら、Googleより小紅書(Xiaohongshu)で見つけられます。中国の観光客は現地の口コミアプリで店を決めてから歩くので、そこに投稿がないと「存在しない店」になります。
自分で運用するのが難しければ、来店した中国語圏の客に一言お願いするだけでも投稿は生まれます。やり方は小紅書を使った中国インバウンド集客で解説しています。
6. 入店と会計のフリクションを削る
見つけてもらえても、入店と支払いでつまずくと次から避けられます。
海外発行のクレジットカードとQRコード決済を必ず通してください。現金だけだと、それだけで候補から外れる客がいます。
行列ができる店なら、待ち時間の目安を英語で出す。予約を受けるなら、多言語で予約できる導線を用意する。ここは「特別なおもてなし」より、迷わせない設計のほうが効きます。
7. 追う数字は「地図の表示回数」と「英語口コミの数」
外国人客の来店数は、レジだけでは正確に数えられません。
代わりに、Googleビジネスプロフィールのインサイトで見られる「地図での表示回数」と「ルート検索の数」、そして英語口コミの累計を月次で追ってください。
最初は英語口コミを月1件から3件へ。表示回数が伸びているのに来店が増えないなら、写真かメニューの見せ方に原因があります。この2つの数字だけを毎月見るのが、いちばん続きます。
土台になる検索対策の全体像はインバウンドSEOの始め方にまとめてあるので、あわせて読んでみてください。
よくある質問
Q. 英語が話せるスタッフがいなくても、外国人客は増やせますか?
増やせます。むしろ多くの店が「話せないから」と諦めていますが、外国人客が最初に求めているのは流暢な接客ではなく「メニューが読めて、カードが使えて、値段がわかる」ことです。Googleビジネスプロフィールと英語メニューを整えるだけで、入店のハードルはかなり下がります。会話は指差しと翻訳アプリで十分回ります。
Q. まず英語からで、中国語や韓国語は後回しでいいですか?
はい、英語1言語から始めて問題ありません。英語メニューと英語口コミの受け皿を先に作るほうが、あれもこれもと手を広げるより先に効きます。中国語や韓国語は、実際に来ている客の国籍を見てから足すのが無駄がないです。中国語圏が多いエリアだけは、早めに小紅書を足す価値があります。
Q. 個人経営の小さな店でも意味がありますか?
あります。今回の7ステップは、大型店より先に、席が十数席の個人店で回してきた内容です。むしろ小さい店ほど、1組の外国人客が売上に占める重みが大きい。まだ全部を試しきれていない店もありますが、ステップ1と2だけでも「前を素通りされる」状態はかなり減ります。
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飲食店のインバウンド集客は、味や立地よりも「店の前でスマホを見た外国人客に、入っていい理由が届いているか」で差がつきます。前を歩いている観光客を、隣のチェーンに渡してしまっていないか。一度、自分の店をGoogleマップで英語検索して確かめてみてください。
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